生理痛、PMS
7月 4, 2021 8月 9, 2021
日々の診療で月経のことで悩んでいる女性がとても多いことを実感します。その理由として、現代女性の月経回数の増加とライフスタイルにあると考えられています。初経の低年齢化、晩婚化、少子化、授乳期間の短縮などにより、一生における月経回数は昔の100回程度から、現在では450回と大幅に増加していると考えられています。その上、ライフスタイルの変化に伴い、様々なストレスを受けやすくなっている女性は、生理痛やPMSが強く出るようになっているのです。生理痛には若い女性に多く明らかな病変がない「機能性月経困難症」と、30代以降に多く見られ、子宮内膜症や子宮筋腫を認める「器質性月経困難症」とがあります。治療法は鎮痛剤や漢方薬などの対症療法とホルモン(内分泌)療法などがあり、場合により手術が必要なことも。ホルモン療法には低用量ピル、黄体ホルモン剤、偽閉経療法、ミレーナなど選択肢が複数あり、診察と十分な問診(年齢、妊娠歴、BMI、妊娠希望かどうか、合併症の有無など)が必要で、それぞれの薬剤の副作用を理解し、相談しながら決めていきます。画一的な治療ではなく、一人一人に合ったオーダーメイド治療です。月経前のイライラや不調を訴えるPMSも同様に特効薬はなく、症状や背景などを考慮した治療が大切です。