性病が、梅毒が増えている
コロナ禍になって、性感染症STI/sexually transmitted infectionが増えています。世界で一番多い性感染症はクラミジアです。しかし、過去の病気と思われていた梅毒が10年程前から急増しており、今では年間約13000人が罹患しています。日本では流行期に入ったと言ってもよい状況です。昔から怖い病気と恐れられていた梅毒。症状は目立たず、ゆっくりと深く進行していきます。治療薬はありますが妊娠中の感染はベビーに影響します。東京都の梅毒感染者数のグラフです。
母子感染と先天梅毒
女性が感染後に妊娠、もしくは妊娠後に感染するなどして梅毒トレポネーマが体内に侵入し胎盤をつうじて胎児にも感染することを母子感染といいます。母子感染がおこると、流産・早産・死産などの原因になるほか、先天梅毒の原因ともなります。先天梅毒の場合、出生時に胎内感染を示す各種の症状や早期先天梅毒の症例が見受けられます。乳幼児期に先天梅毒の症状があらわれなくとも病期は潜伏しているため、そのリスクを生涯にわたり負うことになります。https://medicalnote.jp/contents/151112-000008-JHQULH
これから梅毒の治療を始める方へ
(日本性感染症学会梅毒委員会梅毒診療ガイド 2018より抜粋)
1.梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌(以下、「梅毒菌」と呼びます)に よる感染症です。オーラルセックスを含む性交渉で感染します。 2.「感染しているのに無症状だったり、症状が軽くて病気であることを自覚し ていない人」から感染します。 3.感染時期から1か月後ぐらいに、梅毒菌が入った場所(唇や陰部など)に 「キズのようなもの」ができることがあります。 4.感染時期から3か月ぐらいたったころに全身に発疹が出るなど、いろんな 症状が出ることがあります。 5.全く症状がなく、たまたま受けた血液検査で梅毒の陽性反応が出て感染が わかることもあります。 6.感染早期に抗生物質を正しく使えば治りやすい病気です。 7.治療にはペニシリンを使います。治療の初めに発熱することがありますが、 1~2日間でおさまります。ペニシリンにアレルギーがある人には別の抗生物 質を使います。担当医の指示どおり、服薬を続けてください。 8.あなたがうつしたかもしれない人(接触者)に梅毒の血液検査を勧めまし ょう。保健所・健康福祉事務所などに聞けば、無料で検査できるところを教え てくれます。
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