産科について
当クリニックの産科では、妊娠の可能性がある方に対して様々な検査を行い、妊娠の確定に繋げていきます。妊娠していることが分かりましたら、その後の妊婦健診を行います。なお、当クリニックでは分娩は行っておりませんので、適切な時期にご希望の分娩取り扱い施設へご紹介させて頂きます。 当院では原則として妊婦健診は「妊娠20週」までとさせて頂きますが、ご相談の上、ご紹介の時期を決めてゆきたいと考えています。但し、セミオープンシステム可能な分娩施設で出産される方は、施設側に指示された時期まで健診が可能です。 妊娠22週以降36週までは早産の時期です。安全確保のため入院施設との連携が可能な健診システムが必要です。
出産後もお子様、お母様、そのご家族を応援していきます。特に初めての出産では、産後しばらくの間は、不安なこともあるかもしれません。ご心配なことや不安などがおありのときなど、お気軽にご相談ください。
母乳相談
母乳の中には赤ちゃんが健康的に成長するために必要な栄養素などがたくさん含まれています。母乳を通じて免疫グロブリンなども取り込まれ、感染症に対する抵抗力も付けられていきます。母乳は赤ちゃんにとって最高の食事です。また、母乳育児はお母様の愛情を全身で感じることのできる素晴らしいものです。
順調な授乳育児ができるよう、サポートいたしますのでご相談ください。
分娩施設のご案内
当院には転勤や結婚などで流山市外から転居して来られる方々が受診されます。そのため近隣の分娩施設について不明なことも多いので、ご案内させていただきます。
妊婦健診
妊婦健診は、お母様とお腹の赤ちゃんの健康を守り、妊娠が順調かどうかをチェックするために行われます。
定期的に妊婦健診を受けて、胎児の育ち具合やご自身の健康状態をチェックしておきましょう。
出血や腹痛など下記のような異変を感じた時はご相談下さい。
- 性器からの出血
- 腹痛
- 下痢
- めまい
- 吐き気や嘔吐
- 強い不安感
- 頑固な便秘
- いつもと違うおりもの
- 強いつわり症状
- 今まであった胎動を感じなくなった
など
妊娠初期に行う検査
- 血液型
- 不規則抗体検査や貧血の有無
- B型肝炎、C型肝炎、風疹、HTLV-1などの抗体検査
- 子宮頸がん検査(細胞診)
- 超音波検査
など
妊婦健診で毎回行う検査
- 胎児の大きさや位置の確認
- 胎児の心音確認
- 体重測定
- 血圧測定
- 尿検査(糖、蛋白など)
- むくみの有無
など
妊娠中に行う検査
- 超音波検査(胎児の発育、胎盤の位置、羊水の状態、子宮頚管長など)
- 血糖値
- 血液凝固検査
- HIV抗体検査
- 性器クラミジア、淋菌検査
- B群溶血性連鎖球菌検査
- トキソプラズマ検査
など
出生前診断
クアトロ検査(母体血清マーカー検査:妊娠16週前後)
妊娠15週~17週に行う検査です。妊婦さんの血液を採取し、4つの成分(AFP、hCG、uE3、InhibinA)の測定と年齢などいくつかの因子も含めて計算をしリスク計算(確率)をする検査です。
羊水検査(妊娠17週前後)
妊娠15週~18週に行う検査です。羊水中の赤ちゃんの細胞を増やして染色体の数を調べる方法です。羊水検査はリスク計算を行う検査ではなく、確定検査になります。尚、当院では現在この検査は行なっておりません。ご希望の方はご紹介いたします。
不育症
流産を2回以上繰り返すものを反復流産、3回以上繰り返したものを習慣性流産と言います。
- ①
- 流産(妊娠22週未満の分娩)を2回以上繰り返す
- ②
- 死産(妊娠22週以降に死亡した胎児を出産)
- ③
- 新生児の生後1週間以内での死亡
さらに、流産を2回以上繰り返すものを反復流産、3回以上繰り返したものを習慣性流産と定義しています。
不育症の頻度
流産の頻度は全体で10~15%程度であり、年齢とともにその頻度は高くなることが知られています。
不育症の原因
不育症の原因には主に4つあります。
血液中の血液を固めて血を止める働きである凝固因子に異常が認められる場合。
子宮に奇形が認められる子宮形態異常。
甲状腺機能などの高まりや逆に機能が落ちてしまっていたりする内分泌異常。
夫婦のいずれかに認められる染色体の異常。
原因不明なことも多いですが、検査にて治療方法が決まる場合もありますので、ご相談下さい。
産後の悩み
妊娠出産が病気ではありませんが、やはり産後は体調がなかなか戻らないこともあります。
産後の悩みがあればご相談ください。
1か月健診 (通常、出産した施設で行われます。)
ママの産後の回復状態と赤ちゃんが順調に成長しているかを診る健診です。
はじめての子育ては不安も沢山あると思います。心配事があれば、お気軽にご相談ください。
妊娠・出産・産後の期間のさまざまな悩みをサポート
妊娠出産は女性にとって、大きなライフイベントです。妊娠、出産、産後の気持ちや悩みについてのご相談に乗ります。ホルモン変化が著しい時期でもあり、悩みは尽きないと思います。また、なかなかどの診療科を受診したらいいか、判断がつかない場合もあるでしょう。
流産
流産とは何らかの原因で妊娠22週未満に赤ちゃんが亡くなることを言います。
統計的には妊娠の約15%が流産になってしまいます。対処法としては、①流産手術(当院では妊娠初期MVA法、保険診療)と②待機的管理があります。
無痛日帰り手術(流産手術、人工妊娠中絶術)
当院では術前も術後もほとんど痛みを感じない、子宮に優しいMVA法による日帰り流産手術を行っております。
手術の方法はほぼ同じですが流産手術に対しては保険診療の適応になり、人工妊娠中絶術に関しては自費診療となります。
MVAシステム(Manual Vacuum Aspiration : 手動吸引法)
当院ではWHO(世界保険機関)が推奨しているMVAシステムと呼ばれる手動式の吸引用子宮カテーテルを手術に採用しています。
MVAの特徴
- 子宮に優しい
全て柔らかい素材でできているため、従来の金属器具による掻破術に比べて子宮を傷つけたり、穿孔したりするリスクがほぼありません。また、使用する薬剤の量も減るため、体にも優しい方法です。 - 痛みが少ない
MVAの器具は柔らかくしなやかな素材なので、子宮頚管を広げることなく痛みが最小限で抑えられます。 - 手術時間の短縮
MVAの処置は掻把法に比べ短時間(約10分)で処置が完了します。 - 少ない出血量
金属の器具で子宮を操作しないため、また手術時間が短いため出血量が少なくなります。 - 衛生的
MVAは1人1キットのディスポーザブル器具のため洗浄・再滅菌が不要です。そのため、極めて衛生的で術後の感染症のリスクが低く抑えられます。